「泣けない人(不思議な入金編)その4」
守叔父さんからは、会社の所在地を聞き出すことができなかった。
通帳に記載された「給与 * カ) サトウシステム」を元に調べることにしよう。
宿に戻り、ネットで「サトウシステム」を検索した。
ここ数日間、守叔父さんは「システム」を省略して、「サトウさん」と言っていたため、「サトウ」だけでは、会社の所在地を突き止めることはできなかった。
「(仮名)株式会社 佐藤システム」と入力して検索すると、全国でも少数に絞り込む事ができた。
東京23区内には数件あり、最も近いものは守叔父さんの家の最寄り駅からから2駅離れた所にあった。
住所を元に、その会社の業種を調べると「運送業」であった。
守叔父さんは以前、運送業を経営していたことは知っている。
また、その会社を株式会社へ移行するにあたって、共同経営者と揉めたような話しも聞いていたが・・・。
共同経営者との関係がうまく修正できたと仮定した場合の話しであるが、無事に株式会社に移行して、会社から給料を受け取ることにしたのだろうか?
それとも、乗っ取られたうえで、社員として雇用されているのだろうか・・・?
「ダメダメ、
サトウサン、ワルイ。
アンタ、ダマサレル。
アブナイ。」
(ダメダメ、
サトウさん、悪い。
貴方、騙される。
危ない。)
と言う守叔父さんの言葉をどの様に理解すれば良いのだろうか・・・?
もちろん、給与を受け取っている会社を「危ない会社」と言うのは変である。
認知症の可能性の高い守叔父さんを雇用して、給与を払う会社も変である。
よっぽど奇特な経営者でなければ、仕事のできないであろう守叔父さんに対して給与を支払う事はないだろう。
「(仮名)株式会社 佐藤システム」を訪問し、会社の人にヒアリングをかけて、守叔父さんの状況を聞かせて貰う必要があると思うが・・・。
どうしよう・・・。
一人で悩むことではないだろう。
豊治叔父さんやめぐみ叔母さんへの報告をして、判断を委ねようと考えた。
(つづく)
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