2024年5月15日水曜日

「泣けない人」その103

 


103 、上京四日目.14


カーラジオの流れる車内で、
 

「ソウイエバ、
キョウ、アラオウカナ?
サイキン、ズーット、
アメフッテタカラ
キレイニ シナイト
ダメダナ。」
(そういえば、
今日、洗おうかな?
最近、ズーッと、
雨降ってたから
きれいにしないと
ダメだな。)


と守叔父さんが言った。

何を洗おうと考えているのだろうか・・・?

クルマなのだろうか?

私の感覚では、洗車の必要性を感じなく、とてもキレイな外観であるが・・・。

 

「クルマ、洗うの?
洗車するの?」



と聞くと、

 

「ソウ!」
(そう!)



との返事が返ってきた。

旧式のクルマであるにもかかわらず、新車同様に見えるのは、日々の洗車メンテナンスのおかげなのだろうと感心した。

 





カーラジオに耳を傾けていると、いつの間にか宿に到着した。

守叔父さんは、私がお礼をいう前に、

 

「アリガトウ!」
(ありがとう!)


と言った。 慌てて、

 

「こちらこそ、ありがとう!」



と答えることになった。そして、クルマを降りた。

守叔父さんは、

 

「マタネ!」
(またね!)



と言った後、クルマを発進させ帰っていった。

クルマを見送って、そのクルマが見えなくなったあとに、洗車の手伝いをすることを理由にして、守叔父さんの家まで行けば良かったな・・・、と考えついた。

洗車だけなら、守叔父さんの自宅に無理に入らずにとも、窓の外から家の中を見ることができたのにな・・・。

30秒早く、そう考えつけば良かったな・・・。と思う自分がそこにいた。

逆に、考えつかなかった事は、今日行くべきではなく、今日のミッションの終了を告げているのではないかと思う自分もいた。

今回は、後者を選び、明日に備えることにした。

最寄りのコンビニで、缶ビールと缶チューハイをそれぞれ一本ずつと酒の肴としてミミガーを購入して、宿の部屋に戻った。

飲み物は一旦、冷蔵庫へ入れて、シャワーを浴びることにした。

 





風呂からあがり、バスタオルを腰に巻き、上半身は裸のままで、ビールを飲み始めた。

明日は、早く起床して、「朝駆けしよう!」と 心に決めた。

(つづく)

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