128 、上京六日目.9
横浜大さん橋の駐車場にクルマを駐め、屋上広場を目指した。
大さん橋は、1階全体が駐車場であり、2階は桟橋としての機能のみならずレストランやカフェ、お土産ショップ、イベントができる大ホールなどがある。 屋上は広大なウッドデッキ広場になっており、横浜港を一望できる施設である。
開業して20年程経つが、駐車場の天井の意匠にもこだわりのあるデザインであり、そのデザインは近未来的だと感じた。
クルマを降りた守叔父さんは、行き先を見定めるために周りを見渡した後、すぐに歩きはじめた。
守叔父さんの歩く方向の先には、ガラスで囲まれた部屋のような物が見え、一見すると喫煙場所のように見えた。
近づくと、周囲の四面はガラスで囲まれているものの、上面には何もなく空いていたため喫煙場所でないことは分かった。
押しボタンがあり、守叔父さんがそのボタンを押すと、自動ドアがスーッと開いた。
その開き方はエレベーターのような動きであったが、天井のないガラスのケージであり、私はその中に入るのを躊躇した。
「これで、行くの?大丈夫?」
と伝えると、守叔父さんは笑い声とともに、
「ダイジョウブ」
(大丈夫)
と言った。 守叔父さんが中に入ったので、不安ながらも私も一緒に入った。
上方向には支柱などが全く無いため、下階に行くためのエレベーターなのだろうか・・・?
扉が完全に閉まると、予想に反して上方に動き始めたことに驚いた。
ガラスが3面のシースルーのケージでできたエレベーターには乗ったことがあったが、床面以外の5面がシースルーのエレベーターがあることを知らなかった。
360度周囲が見える状況で、上昇するとは思いもしなかった。
真上を見ると、エレベータの真上の天井には四角い穴があり、その部分にエレベータのケージが入り込むことが理解できた。
しかし、実際には天井にどんどん近づくと、本当にその穴に入るのか少し不安を感じて首をすくめてしまった。
私の心配は不要で、エレベーターは無事に2階に到着した。
私は不安によって心臓がドキドキしていたが、エレベーターから無事に降りると、柱や吊りケーブルの無いエレベーターがどのような機構で上下しているのか興味が湧き興奮していた。そして、 私は思わず、
「凄い、エレベーターだね!
こんなエレベーターに乗ったのはじめてだよ!」
と守叔父さんに伝えた。 守叔父さんは私の興奮した様子を見て、満足そうな顔をして、
「スゴイ デショ!」
(凄い でしょ!)
と言った。
私はその近未来的なエレベーターに魅了されていた。 単なる桟橋観光ではなく、近未来的な乗り物に乗ったような感覚が経験ができたことが嬉しかった。
2階から屋上へは、なだらかなスロープを歩き移動した。 床面がすべて木製でできており、柔らかな踏み心地が良かった。
近未来的なガラスのエレベーターとウッドデッキというある意味古式のモノとのバランスが絶妙だと感じた。
守叔父さんがお気に入りの場所の一つなのだろうと思えた。
屋上広場から360度の横浜港を見渡すと、変わった船型の船がたくさん停泊しており、世界的な国際港だなとあらためて感じた。
(つづく)
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