2022年4月6日水曜日

「泣けない人」その8

8、Mission.1 下準備(1) 情報収集6

自分としては、満足いかない情報収集。守叔父さんとの直接の会話で得たモノはなんだったのだろう・・・?

単に、「会うこと」の約束すらできなかった。

守叔父さんの言葉には、「来るな!」との単語は無かったものの、その力なく語られた言葉からは、それに近いニュアンスを感じ取っていた。

さて、どうしよう。とりあえず、豊治叔父さんへの報告だけ先に済ませよう。そうすれば、じきに、めぐみ叔母さんからの連絡が入るかもしれない。
 


「守おじさまと話ができました。 遊
びに行きたいと言ったのですが、断
られました。やはり、以前と対応が
違いますね。今後の対応を考えま
す。」
2021/11/23 09:21
 


散歩も終盤、あと少しで家が見える位の頃、返事が帰ってきた。
と言っても、わずか3分しか経っていない。

豊治叔父さんも、携帯でのメッセージ入力が早いな!
さすが、メカ・オタクって感じ。と思った時、よくよく考えてみると、豊治叔父さんは物理屋(物理学専攻)ではなかった。工学屋であった。放射線技師だったか? なんだか? 病院に関係があったような・・・。でも、電機メーカー勤務だったような・・・?と、余計な事を考えながらメッセージを開いた。
 


「住所を送るので近くのホテルを予約
して上京し、直接訪問して下さい。」
2021/11/23 09:24
 


守叔父さんとの連絡ができるできない関係なく、上京する事には変わりない。
宿泊先が変わる事となった。まっ、一人暮らしの守叔父さんの家に、泊まるのもなんだか気がひけるので、ホテルに泊まる事の方が楽かもしれない。学生時代のノリでは、親戚の家を訪問できないな・・・。とチョッと思い、豊治叔父さんからの指示により、ホッとした自分がそこにいた。
 


「そうですね。承知しました(^-^)」
2021/11/23 09:25
 


返答のメッセージを送信して後、少し経って、

 


「又、何らかのトラブルに巻き込まれ
ている可能性があるので注意して行
動して下さい。」
2021/11/23 09:27
 


念押しの「トラブル」と言う言葉が入ったメッセージが届いた。
電話による会話の中で、トラブルがあるかもしれないとの事は、既に聞いていたが、メッセージの活字で「トラブル」と書かれていると、チョッとドキッとする事となった。
 


「その可能性もありますね。承知しました。」 
2021/11/23 09:28
 


トラブルの有無を、肯定も否定もできない状態での上京となるかもしれない。
めぐみ叔母さんと早く話して、なんらかの情報を得なければ・・・。
と思っている最中に、豊治叔父さんからのメッセージが届いた。
 


「守の住所は以下です。 東京都大田
区〇〇〇〇ー〇〇〇〇」
2021/11/23 09:33
 


住所さえ分かれば、近くのホテルを探せる!
宿を予約して、飛行機のチケットを準備しよう!

大田区ならば羽田空港の近くだな・・・。
あれ、、、?
以前は川崎に住んでたのに・・・。いつ、引っ越ししたんだろう?

と、色々と住所によって頭を回転させた後、
住所の連絡に対して、お礼のメッセージを送信した。
 

 

「ありがとうございます。」
2021/11/23 09:39
 


ほどなくして、豊治叔父さんからのメッセージが届いた。
そのメッセージに書かれていたものは、なかなか理解に苦しむ内容であった。

(つづく)
 

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