2024年9月11日水曜日

「泣けない人」その117


 

117 、上京五日目.14

守叔父さんは認知症なのだろうが、本人には自覚症状は無いと思われる。

なぜなら、何度となく健康に関する事を尋ねたが、守叔父さんからは「ダイジョウブ」としか答えを聞いていないからだ。

私は、

 

「叔父さん本人自身は
認知症の自覚症状が
無さそうです。」



と栗山さんへ伝えると、

 

「認知症は、その自覚症状の無い方も
いらっしゃいますよ!」



との返事が返ってきた。 自覚症状がない状況で、病院へ連れていけるのだろうか・・・?
私の心の中の気持ちを素直に栗山さんへ伝えることにした。

 

「認知症の自覚症状が無い人を
脳神経外科や精神科などの
認知症外来へ連れて行く事は
難しいですよね?」



と伝えると、

 

「そうですね・・・、
事前に病院へ相談すれば
アイデアやアドバイスが
貰えると思いますよ。」



と答えてくれた。


「餅は餅屋!」「認知症は、認知症専門病院へ!」との事!

言われてしまえば当たり前の事だな、、、。

 

「一人暮らしで認知症の方は、
定期健康診断を受診していない可能性があります。
その健康診断の検査として病院へお連れできるかもしれません。」



と指摘してくれた。

とは言え、認知症専門病院はどこにあるのだろう?

尋ねると、包括支援センターの管轄内には、いくつかの認知症外来があるとのこと。

一番近いのは「東京労災病院」、その次は「京浜病院」であった。

両方とも、知っている名前の病院であった。

なぜなら、包括支援センターに来る途中、通り過ぎてきた二か所の病院であったからだ。

ルートの曲がり角の道標代わりにしていた病院には、それぞれに認知症外来があったのだ! 

なんて、偶然なのだろう。

どちらの病院にせよ、当然のこと、包括支援センターから宿に戻るルート上にあるので、立ち寄り易い。

まさか、それらの病院に認知症の専門外来があるなんて考えてもみなかった。

栗山さんから、

 

「まずは、病院へ叔父さまを連れていかれることですね。
病院の診断で「認知症」と認められれば、
私たちが正式にサポートできますから、
ご心配なく。
病院とも連携してサポートしますし・・・。」



との言葉を頂いた。

時計を見ると、もう少しで午後5時になるところだった。

すでに、両病院とも外来受付時間外であるようだが、京浜病院ならば、相談だけなら受けてくれるかもしれないとの事で、取り急ぎ、帰り道に立ち寄ってみることにした。

栗山さんの方からも病院への連絡を入れてみますとの事もあり、相談できる可能性があると思った。

 





すでに、日没後であり薄暮の中を病院へ向かって歩みを進めた。

京浜病院へ着くと、すでに玄関や廊下の電気は消されており、既に薄暗くなりつつある外から見ても病院内は暗く、非常口を示すライトが薄暗く光っていた。

暗い病院へ入るのは少し不気味ではあったが、恐る恐る中に入った。

入口から程近くの外来受付には灯りがついており、事務スタッフらしき人がパソコンに向かってお仕事をされていた。

その方に声を掛けると、少々お待ちくださいとのこと。

しばらくすると、看護婦長さんらしきベテラン看護師さんが廊下の奥から近寄ってこられた。

その看護師さんは、私の顔を見ると、

 

「大変でしたね! 大丈夫ですよ!」



と、優しく声を掛けてくれた。

(つづく)
 

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