2024年9月18日水曜日

「泣けない人」その118


 

118 、上京五日目.15


病院の待合室にて、看護師さんと話をしている。 

診察時間外のため、周囲には私と看護師さん以外には誰もいない状態で、静まり返っていた。

包括支援センターからの連絡のおかげであろうか、スムーズな初期応対となった。

看護師さんへは、認知症らしき叔父をどの様にして検査を受けさせれば良いかを主に相談した。

まずは、検査日程を決める必要があった。

認知症外来は、週2日とのこと、すでに一ヶ月以上先まで検査予約が入っていると告げられた。 長期戦を覚悟していたが、さすがにそんなに時間を待つことはできない。

私が鹿児島から上京して対応しているため、時間に制約があることを告げると、スケジュール表を再確認し、三日後の月曜日に検査の予約を入れて頂けることになった。

無理な願いを受け入れて頂けたことに感謝した。

ここ数日間、「マイペースな守叔父さん」に振り回されていた事を伝え、どの様にして「マイペースな守叔父さん」を病院に連れて来れば良いかと相談した。

単に「健康診断」として来院すれば、健康診断と称して「認知症の検査」を実施して貰えるようだ。

「健康診断は大事だよ! 健康が良いでしょ!」と守叔父さんに伝えれば、大抵の人は来院を拒否しないでしょうとのアドバイスであった。 

もし、それでもダメな場合もあるので、その時のために前もって、「本人に何らかの体に関する悩みや心配事があるかどうかを聞き出しておいた方が良いです。」とのアドバイスを貰った。

「その体の悩みや心配事を解決することができるかもしれないよ!」と伝えれば、本人の意思で病院にくる可能性があるとの事である。

人には大小問わなければ何らかの悩みがあるだろう。

守叔父さんにも悩みがあるだろう。

本当かどうかは分からないが、「お金を騙し取られた?」という問題を抱えており、一つの悩みかもしれない。

体・健康の心配事ではないが、その事を解決できるかもしれないと伝えれば、心が動いて、病院へ行くという行動につながるかもしれないと思った。あくまでも、屁理屈の最終手段ではあるが、、、。

いずれにせよ、お医者様や病院が「万能の神」的な存在と思ってくれれば、心が動くだろう。

アンチエイジング(若返り)の為と称して、「ニンニク注射」を定期的に受けているらしい守叔父さんなので、若返りに関する話をすれば興味をもってくれて、病院へ来る気になるかもしれない。

看護師さんのアドバイスに対して、なるほど!と思い、守叔父さんを少し騙す事になるかもしれないけれども、悩みを聞き出す事が最優先課題となった。

悩みを聞き出せさえすれば、「マイペースな守叔父さん」をコントロールできる術を手に入れることができると考えると、だいぶ、気が楽になった。

土・日の二日間あれば、悩みを聞き出すのに十分な時間があるだろう。

看護師さんから、最後に、

 

 

「もし、月曜日に病院に連れて
来られない状況になっても、
ご心配なく。」

 


との言葉を頂いた。 この言葉は、緊張していた私の心を少し緩めてくれた。

無理をして守叔父さんを病院に連れて来ようとすると、逆に連れて来られなくなるのだろう。

自然の流れに身を任せる必要もあるだろう。

備えあれば憂いなし。 すでに、準備もできたと考えよう!

看護師さんに時間外の対応にお礼を言った後、帰路についた。

病院の滞在時間は短かったが、薄暮だった空は、すでに真っ暗になっていた。

(つづく)
 

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