123 、上京六日目.4
守叔父さんを病院へ連れていくアイデアを思いついたので、豊治叔父さんへメッセージを送ることにした。
「MRIなどの用語は、一切話してませ
ん。 一般的なことであっても、一
度決めたことを覆せません。 私の
行きたいところへつれていくと言い
ながら、守叔父さんが行きたい所へ
行く状況です。 コントロールが難
しいので、 本人の意思を病院に向
かせる事は、 骨がおれそうです。
本人が興味のあるシミの手入れを取
っ掛かりにすることが良策だとおも
っています。 最善ではないですけ
どね。」
2021/12/04 09:32
続けて、
「本人の口から、”嫌だ”の言葉が、一
度でも出たら、ゲームオーバーの様
子です。」
2021/12/04 09:39
とメッセージを送信した。 すると、すぐに豊治叔父さんからの返事が届いた。
「時間を要しても『それなりの歳なん
だから気にしない方が良い』を繰り
返し話しかけたらいいかもしれませ
ん。 手のシミとはどんなものです
か?」
2021/12/04 09:40
私は、豊治叔父さんからの返事を読み、少しだけ苛立ちを感じた。
なぜならば、どうすれば、守叔父さんの意思を「病院へ行く。」に変えるかが「鍵(キー)」となり、私はその事に集中して考えているのにもかかわらず、「手のシミ」そのものに豊治叔父さんが興味を持ったからだ。
私は、「手のシミ」には興味なく、対処する事を考えていないし、治療することなど全く考えてもいない。 ただ単に、「病院へ行く。」と意思を変えるために、「手のシミの悩み」を利用しようと考えているだけなのである。
遠まわしではあるが、私の考えを伝えるために、メッセージを送信した。
「歳とると、誰にでもある。私にもあ
るチョッとした、ほくろの大きめの
ものを 非常に気にしています。 直
したいけど、どうすれば良いのか分
からないと。 私に直し方を相談し
てきましたので、 病院へ行く口実
には丁度良いと考えてます。」
2021/12/04 09:46
しばらくして、豊治叔父さんから返事が届いた。
「『なぜ?』を本人から言える状況を
作ることしか無いでしょうね。 本
人はMRI検査の受けて認知症だと診
断されたらお終いだと意識の奥にあ
るのでしょう。2年前から現在では
時間を経た分、悪化している可能性
が高いのです。 どんな口実でも良
いのです。病院に連れて行って下さ
い。」
2021/12/04 09:49
豊治叔父さんからのメッセージを読み、私の頭は混乱した。
「『なぜ?』を本人から言える状況を作ることしか無いでしょうね。」とは、どういう事だろう?
「なぜ、私は病院へ行かなければならないのか?」と守叔父さん本人に考えさせる状況を作ることなのだろうか?
イマイチ、言葉の意味を理解できなかったので、読み飛ばすことにした。
続く文章、「本人はMRI検査の受けて認知症だと診断されたらお終いだと意識の奥にあるのでしょう。2年前から現在では時間を経た分、悪化している可能性が高いのです。」と書かれていることに疑問を持った。
守叔父さん本人は、2年前、認知症の自覚症状があったのだろうか?
仮に、2年前、守叔父さんに認知症の自覚症状がなく、自分の脳に「自信」があったとするならば、認知症の検査を自ら進んで受けただろう。そして、脳が「正常」であることを証明すれば、安西さんとの会社でのトラブルは起きなかったのではないだろうか?
逆に、認知症の自覚症状があった場合、その原因を調べ、治療するために、検査を自主的に受けるのではないだろうか?
豊治叔父さんのいうところの、守叔父さんが「無知」だから、検査を受けないと言う選択肢があったのだろうか?
いずれにせよ、脳の検査を2年前に受けるべきであったと考えられる。 と言うか、2年前に脳の検査を受けているのではないか?とすら疑って考えた。
「守叔父がMRIを嫌がるのは安西が守叔父に『認知症だ痴呆症だ』MRI検査をすれば分かります。と反論してるせいでは無いかと思います。」という言葉があったが、安西さんは、すでにMRI検査でなくCT検査を守叔父さんに受けさせていて、脳に障害があることが分かっているのではないかとも考えることができた。
豊治叔父さんは、どれだけ弟の守叔父さんの現在の状況を正しく理解しているのだろうか?
そして、2年前の状況をどれだけ、正しく理解していただろうかと、疑問になった。
守叔父さんが認知症であると仮定すると、その守叔父さんの発した言葉は、信頼に値するものとはならない。
2年前の当時の守叔父さんの言葉を、豊治叔父さんは鵜呑みにしているだけではないかと私は考え始めていた。
そして、「2年前から現在では時間を経た分、悪化している可能性が高いのです。」と書かれているという事は、豊治叔父さんは、守叔父さんが脳障害を伴う認知症であると考えているという事なのだろう。
先ほどは、「ストレス障害では無いかと思います。」と豊治叔父さんは書いていたが、ストレス障害ならば精神的なものであり、CT/MRI検査では「正常」という結果がでるのだろうと考える。
豊治叔父さんの考えていること自体も矛盾しているように思い、困惑した。
そして、安西さんは、2年前に何と言っていたのだろうかと気になった。
豊治叔父さんは、安西さんと直接会話した事があったのだろうか・・・?
もし、当時、守叔父さんの話だけを聞いて、安西さんと会話していなければ、正しい情報は
得られなかっただろう。
トラブルが起きたとき、当事者の片方からだけ話を聞いても、そのトラブルを解決はできない。
豊治叔父さんは、「俺が弁護士を雇ってトラブルを解決した。」と言っていたが、2年前のトラブルは本当に解決できているのだろうか・・・?
(つづく)
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