2.上京八日目.2
問診票を書き終えた私は、問診票の裏面が白紙であったので、守叔父さんの情報をより詳しく医師に伝えるために、思いつくままにその白紙の面にメモすることにした。
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以下、実際にメモした内容。
・気温9.5°Cを95「キュウジュウゴ」と読むことが有り「キュウテンゴ」とは言わない。
・「フネ」は電車を意味するようだ。
・道順を伝える際に、言葉では「ミギ」、「ミギ」、「ミギ」と言いながら、指差しでは、右、左、右の順で指す時があった。「ヒダリ」とは言わない。
・指差しで、下を指しながら、「ウエ」と言う。
・何かにつけて、「ワカラナイ」という言葉を使う。
・自宅のカーテンを昼夜問わずに開けない。
・自動車のガソリン給油が一度で100万かかると言うが、実際は1万円。
・月1回、プラセンタの注射を受けている?
・カイロプラクティックへ、週1回 または 2回通っている。
・仕事は、火 〜 金の午前中と言っているが、実際に勤めているのか不明。
・会話の中で、兄弟姉妹の名前がでてこない。
・スマホ等はうまく使え、Lineで連絡がとれる
・スマホの電池残量を「〇〇キロ」と何度も言い間違える。「〇〇パーセント」とは言わない。
・領収書の意味が分からない様子。
・クルマが前進する事を、「アルク」と表現する。
・富士山の形を指で描くが、「フジサン」とは言わない。
・元彼女との思い出話、同じ内容の話しを何度も繰り返す。
・自分が若くみえる事を他人や私に自慢する。
・カーラジオのチャンネルをしょっちゅう変更する。DJが話しをするのを聞きたくないようで、音楽のみを聞こうとするため。
・先日、地震が発生した際、震源地などの情報に興味なし。 地震発生時、一緒にテレビを見ていたが、地震情報が流れはじめると、内容を確認せずにチャンネルを変更した。
(注:2021年12月3日6時37分頃、地震発生。山梨東部震源M4.8 関東の広範囲で震度3以上を観測)
・朝は、3時や4時に起床し、その後、電気も付けず部屋に居る。
・就寝時刻は、午後5時半。
以上
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メモを書き終えると、そのメモをスマホで撮影した後、問診票を受付に提出した。
そして、しばらく待った。
後ほど、医師より聞くことになるが、私が待合室で待っている間に、守叔父さんは、「頭部CT検査」、「平衡感覚検査」、「脳波検査」などを連続して受けていたようで、それぞれの検査の間に私のいる待合室に戻ることはなかった。
検査室へ行って1時間程経った頃、看護師さんと共に守叔父さんが待合室に戻ってきた。
検査が終わったようだ。
その時の表情は、笑顔であり、少しにやけたような感じであった。 看護師さんとうまくコミュニケーションができたのだろう。
さもすれば、看護師さんを相手に、ナンパするのではないか、と言うか検査を受けながらナンパしていたのではないかと思うほどの表情であった。
看護師さんは、私に対して、「無事に検査が終わりました。」と言い、続けて、守叔父さんに対して、「豊田さん、お疲れさまでした。こちらで、少しお待ちくださいね。」と丁寧に言った後、診察室へ消えて行った。
その言葉を聞いた守叔父さんは、少し残念そうな表情を浮かべていた。
そして、私の横に座るのかとおもいきや、
「おんせんいく」
(温泉行く)
と言って、トイレを探すように周囲を見ていた。
「トイレは、そこだよ!」
と指差すと、少し急ぎ気味に歩いて行った。
私はその時、「トイレを「オンセン(温泉)」と表現する。」と問診票の裏面のメモに書かなかったことに気がついた。
一番最初に、守叔父さんが変だと気付いた事象をメモに書けなかったことを少しだけ悔やんでいた。
(つづく)
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