65 、上京三日目.7
横浜へ向かっている車中。
昼食で、何を食べるかについての話をしていた。
「和、洋、中なら、和かな、和食が良いね!」
と伝えた。 すると、
「ナンダロウ? ワカラナイ
ソンナノガアルノ?
カッコイイナ!」
(何だろう? 分からない
そんなのがあるの?
カッコいいな!)
と守叔父さんが言った。 食事の種類を「カッコいいな!」と言うことに違和感を感じた。
昨日と同じようにおかしな事を言っている。 昼食は、行き先で店選びをすれば良いだろうと思い、追及しなかった。
・
・
・
乗車直後から、LINEの着信音が何度となく鳴ったのは気付いていたが、守叔父さんとの会話を優先していたため、誰からの着信なのかを確認せずに後回しにしていた。
少し、会話が止まったタイミングで着信音が再び鳴ったので、ポケットからスマホを取り出し、誰からのメッセージなのかを確認した。
メッセージは、めぐみ叔母さんからの写真であった。めぐみ叔母さんはメキシコ旅行中であり、何枚かの現地の写真を選びつつ送信してくれたようだった。最後の写真には、めぐみ叔母さんとマイケル叔父さん夫婦の二人が写っていた。
守叔父さんから、
「ダレカラ?」
(誰から?)
と聞いてきたので、「めぐみ叔母さんからだよ!」と伝えると、
「メグミッテ、ダレ?」
(めぐみって、誰?)
との返事が返ってきた。誰と言われても、守叔父さんの実姉であり、私の母の実妹である。兄弟姉妹の事がわからないのだろうか? どう返事しようと悩んでいると、
「オレノ スグ ウエノ ヒト? ダレ?」
(俺のすぐ上の人? 誰?)
と守叔父さんが言った。 ちょうど、信号でクルマが止まったので、二人の写った写真を見せることにした。すると、
「アァ、アァ、アァ、アァ、
オトコトオンナネ!」
(あぁ、あぁ、あぁ、あぁ、
男と女ね!)
と理解したような返答ではあったが、「姉さん夫婦」と言う言葉ではなく、「男と女」という表現には戸惑ってしまった。
その後、守叔父さんは、写真を指差しながら、
「オレ ココニハ サンカイ クライ イッタカラ!」
(俺、ここに三回位、行ったから!)
と言いだした。 守叔父さんがシアトル(米国)に何度か行ったことは知っているが、二人が写っている写真だけでは、その写真がどこで撮られたものなのかはわからない。
シアトルではないことを知らせるために、
「これ、メキシコなんだって」
と伝えると、
「オンナノコガ、メキシコニ、ツイテイルモンネ!」
(女の子が、メキシコに、ついているもんね!)
と守叔父さんが返事をした。「女の子」とは誰だろう? 「ついている」とは何だろう・・・?
またまた、おかしな事を守叔父さんが言いだした。
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿